羽根学区と城南学区の地域の防災について特集した、ガーデン通信10号はご覧いただけましたか?
今回は城南学区 社会教育委員会 防災部・岡崎市防災指導員の小松賢司さんと、社会教育委員会 防災部・岡崎市防災指導員・岡崎地区婦人自主防災クラブ廣中直美さんのインタビュー内容をより詳しくお届けします!
城南学区ではどのような防災訓練がありますか。
小松さん:岡崎市主催の「地域総合防災訓練」が年に1回、9月の第一日曜日に行われています。
2学区が合同で行っているので、城南学区が主体となって行うのは実質2年に1回となります。学区内での防災意識を高めていこうということで、2015年から社会教育委員会主催で城南学区の防災訓練を行うことにしました。
こちらは防災部5人で毎年テーマを決めて計画・実施しています。
廣中さん:実際の訓練に際しては、体育部、PTA、子ども会などに協力をお願いしています。
防災部だけでは防災は成り立たちません。地域住民が役割りを持って協力しあうことで成り立っていると感じます。
具体的には、過去にどんな訓練が行われましたか
小松さん:2015年1泊2日で城南学区防災訓練、2016年、車中泊訓練(駐車場の配置など)を行いました。
↑「Jona!」より(城南学区社会教育委員会広報部 2016年3月1日発行))
去年は水害防災―占部川が氾濫する事を想定した訓練を行いましたが、参加者は416名でした。
またコミュニティ通訳員にも参加してもらって、外国籍の方も訓練に参加しやすくしました。
城南学区は外国籍の方も増えているとうかがいました。日本語が分からない方にも避難の方法を伝えるのは大切な事ですよね。
小松さん:キリスト教会の方から、地域交流がしたいという打診があったことから、防災訓練をきっかけにしてはどうかと提案したことで実現しました。
お話しをお伺いし、たくさんの方が参加されている印象を受けました。
廣中さん:総代さんたちが熱心に住民の方に声掛けをしてくださっている成果だと思います。
訓練の経験者が多いほど、災害に強い地域になりますよね。
小松さん:消火器の練習をしても、いざという時にすぐにできなかったという話しも聞いています。
「やったことがあるから大丈夫」ではなく、訓練を何度でも行って、やり慣れておくことが大切ですよね。
廣中さん:防災訓練に家族で楽しく参加してもらえるように、子ども達へポップコーンを配布するなど参加率を高めるよう工夫もしています。
他にも訓練の場はありますか。
小松さん:今は、町単位の訓練も増えてきています。こちらは総代さん中心になって実施されています。
小規模で訓練をしますから、消火器訓練などの体験型のものは参加しやすいと思います。もっと広がると嬉しいですね。近所の方ともお話しする機会になりますしね。
廣中さん:地域にあった訓練ができるのもいいですよね。起震車体験や、ガス式発電機の体験をされた町もありました。
防災部としても協力したいと思っています。
避難、と言われると、避難所にいかないといけないかなと思っていました。
廣中さん:水害など緊急の場合は別ですが、「なにかあったら避難所に行けばいい」というのは違ってきます。
岡崎市の場合、まずは自宅近くの「待避所」で安否確認を行い、必要な人だけが避難所へ行くという流れとなっています。
自宅が無事であれば自宅で避難ということも考えます。
そういう情報も知らないといけませんね。
私も自分のうちの待避所を再確認したいと思います。
城南学区では、独自の安否確認を行っていると伺いましたので、教えてください。
小松さん:災害時には黄色い布を自宅前にかけておき、安否確認を行う活動を開始しました。2019年の防災訓練の日に、実際に「黄色い布」の訓練を行いました。
廣中さん:防災訓練の日には、会場に来られない方も実施してもらうよう、総代さんを通じて町内に声掛けをしました。
防災訓練当日に参加できない方でも、自宅参加ができるので、ぜひ行って頂きたいですね
小松さん:足の悪い高齢者、障がい者の方にも、周囲から安否確認ができるよう、黄色い布を実施してもらえるとありがたいですね。避難訓練で会場に行く事については課題が多いけれど、できることはまず一歩そこからだと思う。安全が分かれば他の方への支援に回れますからね。
今年度はコロナウィルス感染対策で各種イベントが中止になっていますが、防災訓練は行われますか?
小松さん:地域総合防災訓練は中止が決まっています。城南学区の防災訓練は延期として、実施に向けて状況を検討中です。
避難訓練も人の密を避けて考えないといけませんし、課題は大きいですね。
廣中さん:新型コロナウィルス感染症も災害の1つだと考えています。
今後は感染症対策と防災対応を一緒に考えていかなければならないと思っています。
避難を分散させるなど、防災の考えも変わってくると思います。
防災の知識は常に更新していかないといけませんね。
廣中さん:防災食についてもローリングストックという考え方が出てきています。
日常の食品を多めに買い、切らさずに買い足していって災害でも使っていく、という考え方 ですね。
城南学区の情報誌「Jona」にも掲載しました。
↑廣中さんが編集にも携わっているJona。毎年作成され城南学区の各戸に配布されている。
地域の中で防災についての情報を発信したり、企画を立てておられたりと、すごく熱心に取り組まれている事が分かりました。
地域に小松さんや廣中さんのような方がいらっしゃるというのが頼もしいですね。
私はなかなか自分の住まいの訓練に参加できていないのですが、今日のお話しをうかがって参加してみようと思いました!
小松さん:ぜひそうして下さい(笑)
廣中さん:私たちのお話しで、そう感じていただけたのなら、それが今日の大きな収穫です(笑)
(記事担当:I)