皆さん、ガーデン通信第13号はご覧いただけましたか?
今年度の特集(※ガーデン通信のオモテ面)のテーマは「リレーでつながる地域の輪」。
長期化するコロナ禍でも、地域で元気に活躍するシニアさんの様子をリレー形式で紹介させていただきます!
今回は、羽根学区見守り隊板倉登さんのインタビュー内容をより詳しくお届けします!

—活動を始めた時期、きっかけを教えてください。
板倉さん「H28年に総代になったことが活動に携わるようになった一つのきっかけです。今年で活動を始めて6年目ですね。見守り隊(正式名称:羽根っ子見守り隊)自体は平成18年に発足していますね。私が活動を始めた頃は、登校時大通り(国道248号線)を渡り終わるところまでの見守りと、木曜日の一斉下校時の見守り活動を重点的に行っていました。ところが、ある時期に不審者情報が相次いだようで、小学校から『見守り活動を強化してもらいたい』との依頼があったんですね。それ以降は、登校時の見守りを特に強化し、月~水曜日までは集合場所から学校までの送迎を2人体制で行うよう  にしています。木・金は、ゴミ集積場の係も重複しているので、大通り(248号線)を渡り切るところまでの見守り活動をしています。」

—そうなんですね。担当地区の子どもさんたちの人数はどのくらいですか?
板倉さん「30名くらいです。地区の中で班編成を行っています。私の担当地区は3班に分かれています。子どもの数は各班10名前後で割りふりしています。ここ2年くらいの間に、見守り隊の中で体制について話し合い、各班に2名ずつ見守り隊をつけられるようになりました。登校の時間帯は小学生だけでなく、南中学校の生徒さんとも行きあうので、中学生の見守りにも気を付けています。」

—手厚い体制で見守り隊の活動をされているんですね。板倉さんが活動の中で大切に考えていることを教えていただきたいです。
板倉さん「見守り隊の大きな目的は、子どもたちの安全を守ること。それが一番大切なことだと考えています。不審者情報が相次いだときは心配しましたが、挨拶を交わすことそのものが見守りにもなると思うんです。大人が率先して挨拶すれば、子どもたちも挨拶をしてくれるようになるんですね。」

—なるほど。板倉さんのお話を伺って見守り隊活動の奥深さを感じます。
板倉さん自分自身が学校で教員をしていた経験もあるので、見守り隊の活動への思い入れは強いのかもしれません。自宅と学校が子どもたちにとっては主な生活の場となる中で、登下校は子どもたちだけになってしまう場。なので、地域での見守りは子どもたちの安全を守っていくためにも重要だと考えています。特に金曜日の午後の時間帯は要注意。休み前で子どもたちの心が開放されるからです。下校中にハイテンションで走ったら転んだとか、地域のお宅のインターホンを鳴らして回ったりとか、いろんなトラブルが発生していましたね。学校にいる時には先生や大人がついていますが、登下校の空白の時間は子どもたちの心が開放されてしまいますね。」

—おなじ「見守り活動」でも曜日に合わせた見守り方、地域への目の配り方があるんですね。
板倉さん「そうですね。自分が現職の時には他府県で登下校中の悲しい事件が相次いだことがありまして・・・。学校で働いていたころには、行政から1日平均7~8件程度(市内全域の件数)、不審者情報が入っていました。もし、勤務先の学校付近での情報だった場合は、すぐに地域の見守り隊長に協力要請をし、助けていただきました。勤務先の学区によっては、見守り隊が未発足のところもあり、学校からも働きかけて見守り隊を立ち上げていただいたこともありました。どの地区の学校に勤務していた時にも、地域の方には本当にお世話になりました。退職後には、少しでも地域に貢献したいという気持ちが大きかったですね。」

—自分のお住まいの地域での「見守り活動」にご協力いただいているのが今ですね。
板倉さん「そうですね。子どもたちの見守り活動ではありつつも、実は、自分の健康のためにもいいリハビリになっているんですよ。」

―見守り隊の活動が子どもの安全確保地域の方々とのネットワークづくりご自身の健康維持と、あらゆる面でプラスになっているんですね!活動を通して、心に残るエピソードはありましたか?
板倉さん「まだ見守り隊を始めて間もないころのこと。台風ではなかったのですが、雨風がすごく激しい朝があったんです。特に風がひどく、大人でも煽られるくらいの風速だったと思います。低学年の児童だと力がないので、3人の傘が飛ばされてしまいました。何とか2本は見つけたのですが、1本がなかなか見つからなくて。南中学校のプールの方面に飛ばされました。そうしたところ、南中(岡崎市立南中学校)の子が傘を走って追いかけてくれてね、持ってきてくれたんですよ。それがとても印象に残っています。すごく頼りになるなぁと。」

—子どもさんの成長を感じる瞬間ですね。心温まります。
板倉さん「ほかにも、印象的なことがありましてね。通学路にはマクドナルドやSEIYUなどの商業施設があり、人の往来も多いのでゴミがいっぱい落ちているんです。子どもたちの見守り活動と並行してゴミ拾いをするようになりました。(子どもたちを学校に送り届けた)帰り道は、自分ひとりなのでSEIYUの裏側あたりの道中でゴミ拾いしながら歩いていたら、車がぴゅーっときて、自分の真横で止まったんです。『あれ?知り合いかな?』と思ってみたら、まったく知らない人で。その人が『いつもゴミ拾いご苦労さん』と声をかけてくれた。それが非常にありがたかった。」

―それは嬉しいですね!
板倉さん「その一方で、248沿いの歩道の植え込みのところでゴミ拾いをしていたら、自転車が来て『ここは自転車が通る道だ!なんでこんなところ歩いとるだ!』と注意を受けたこともありました。自分たちの活動が、地域の方の目にはいろんな形で写るんだな、と思いました。」

―活動をしていると、良いこともつらいこともありますね。
板倉さん「そうですね。ありがたいことに、大半の方は温かい言葉をかけてくださいます。こちらも励まされます。そして、面白いのが、だいたい決まった時間に同じ人と出会うこと。自分と同じようにゴミ拾いをしてくれている人もいるんです。その人たちとは顔見知りになりましたね。」

―活動を通して、地域が見えて、地域の方の顔が見える。嬉しいエピソードの方は、聴いていてとても心が温まりました。最後に一言、メッセージをお願いします。
板倉さん「知らない人とでも挨拶をしていくことを心がけています。挨拶をすると8割くらいの人は挨拶を返してくれます。こんな時代だからこそ、お互いに笑顔で挨拶を交わしあえることで、温かい繋がりが出来ていくのだと思います。それが、安心・安全な地域づくりにもつながっていくと考えています。これからも、『笑顔で挨拶』を大切にしていきたいと思っています。」

貴重なお話をありがとうございました!
挨拶を交わすことで生まれる温かい繋がり。
そして、子どもたちは、家庭・学校だけでなく、地域の皆さんの温かい見守りの中でも心豊かに健やかに成長していくんだな、と板倉さんのお話をうかがい、非常に感銘を受けました!!
これからも、素敵な笑顔で地域の安全を見守り続けて下さい🎵

(記事担当:O)