ガーデン通信10号のこぼれ話、今回は羽根学区編です。
羽根学区総代会会長の稲葉章さんと羽根学区防災指導員・羽根地区婦人自主防災クラブの赤平厚子さんからうかがったお話しをより詳しくご紹介します!

羽根学区の防災訓練はどのようなものがありますか?
稲葉さん:年に1回、岡崎市と9月の第一日曜日に地域総合防災訓練を行っています。
それとは別に、羽根学区では年に1回、各町の総代さんが中心となって訓練を行っています。
年度末には各町の防災訓練についての報告会を行って、情報共有をしています。

私が担当する羽根北では、14年前から町の防災訓練を実施しています。
本来なら今頃(取材日:5月20日)話し合いをしているんですが、新型コロナウィルス感染対策のため、会議もできないから見通しも立てられないですね。

稲葉さんが担当されている羽根北ではどのように計画や実施されていますか?
稲葉さん:実施の2か月前から、役割分担や内容の確認を行っています。10年以上の訓練の実績があるので、組長との話合いもスムーズです。どの町の総代さんも災害時に行動ができるよう、順番で担当を決めてます。
防災訓練では、市会議員、消防署の方にも参加してもらっています。
社教羽根地区婦人自主防災クラブとも協力できる体制づくりをしてきており、今はこの活動が定着していると実感しています。

具体的にはどのような訓練をしているんですか
稲葉さん:消火器やAEDの操作訓練は毎年行ってます。防災はみんなが当たり前にできるのが理想です。
だからノウハウの積み重ねが重要ですよね。そうやって毎年行う訓練にプラス2.3は違う内容の訓練や防災活動を行っています。
去年は中学生に災害時のマップ作りをしてもらいました。中学生の目線で、通学路のどういったところに危険があるのかが分かるようになっているんです。
そのマップは今は公民館に掲示しています。

羽根地区婦人自主防災クラブの活動も教えてください。
赤平さん:総代さんとお話ししながら、その年の企画を一緒に考えています。
私たちクラブ員は消防署の研修など受け、それを町内の防災訓練の時にお伝えしています。
この活動ができるのは、総代さんの理解があってこそです。

婦人自主防災クラブが中心になって炊き出し訓練が行われていると聞きました。
赤平さん:炊き出しは住民の方と協力して行います。毎回準備は大変ですが「おいしいね」とか「やってよかったね」と言われる達成感があって、楽しかった思い出の方が強く残りますよ!
訓練が終わった後は皆さんにアンケートも書いていただき、作ったメニューの感想もまとめています。
羽根地区婦人自主防災クラブでは毎年各担当が実施の様子を振り返り、冊子を作っています。
総代さんの協力も得て活動報告を町内に回覧させてもらっています。


↑羽根地区婦人自主防災クラブ活動報告(回覧用)

稲葉さん:本当に女性の力は大きいなって思います(笑)
赤平さん:女性はコミュニケーションが得意な方が多いですから(笑)本当に女性陣の活躍がまちの防災を支えていると感じます。
防災食についても、色々考えていまして、「アッコママの防災豆知識」という映像動画を作りました。
岡崎市のメディアコンクールで優秀賞もいただいて、嬉しかったです。

↑動画の一部。非常食作りの実施のために、研究された成果が分かりやすく紹介されていました。ビニール袋で作る炊き込みご飯は美味しそうでした!また包括スタッフでもやってみたいです!

普段から防災の情報収集もされているんですか。
赤平さん:阪神淡路大震災や東日本大震災など、過去に起きた災害からも防災知識を得ています。実際、東京などに出向き、被災した方の体験談を直接うかがってきた事もあります。
テレビやインターネットでは得られない、リアルで細かな災害時の工夫や注意点を教えていただけますが、地域の特性によって、防災に必要な情報は違ってくるなと感じます。
岡崎消防署の署長から、防災の知識を教えてもらうこともたびたびあります。皆さんに色々と教えていただくことが多いですね。
こうした情報も訓練の時などにお伝えしたいと思っています。
また、私の住むマンションが断水して困った経験がありました。
その時に生活や食事などで工夫した経験を、今後の防災活動で伝えていきたいです。

高齢者で足の悪い方、車いすの方は訓練に参加されていますか?
稲葉さん:車いすの方も訓練に参加されてますよ。
高齢で独居の方などが登録する災害時避難行動要支援者名簿に基づいて、担当者が安否確認を行っています。
そこで、訓練に参加したい方には、担当の方が送迎を行います。
防災訓練で車イス介助体験を実施している町もあります。
訓練を重ねると、「あ、この道は車いすで通りにくいな」ということが分かってきます。
地元の議員に働きかけも行い、ここ2,3年で危険なブロック塀が補修されました。

防災訓練がインフラの整備にまで発展しているんですね!

稲葉さん:そのほか、高齢で独居の方に対しては、災害時以外でも近所の方が見守りできるような体制づくりが進んでいます

防災とまちづくりが一体になっているんですね。すごいです!

新型コロナウィルス感染拡大に伴い、訓練が延期になっているということですが、今後はどうなりそうでしょうか。
稲葉さん:今まで想定していなかった事態でしたが、そういう中でも災害が起こる可能性はありますよね。
今後は避難所の様式も変わってきます
避難所となる体育館では町別に集まっていましたが、それでは3密の極致になる。
感染症に対応した訓練が必要ですよね。それには行政や地域の方と体制づくりを考えないといけないと思います。

地域の方に向けてのメッセージをお願いします。
稲葉さん:
高齢者が増える将来に向けて、介護が必要な方やハンデのある方の手助けができるよう、知識を入れておくことも大切だと思っています。
羽根学区にあるデイサービス施設「くらしの杜ふくろう」を利用させてもらって、いろんな災害の状況を想定して体験できるようにしています。
有料老人ホームの「みなみの風庄司田」からも会場をお借りしています。
介護事業所の方の理解もあってこそできることだと思います。
介護事業所も地域の一員だと思いますから、これからも協力しながらできるといいと思います。
子どもにもお年寄りにも優しい町にしたいですね。

赤平さん:防災訓練の時などに自分の家庭状況について、近所の親しい人に知っておいてもらうことも大切だと思います。
たとえば子供会を通じて親同士が仲良くなっておけば、異常時はもちろん、平常時でも困った時に子どもを預かりあうなど助け合いにもつながりますよね。

貴重なお話し、ありがとうございました!

羽根学区はご近所同士のお付合いを大切にされていて、そこで生まれる団結力が防災活動にも発揮されていると感じた取材でした。
コロナ禍で集まることが難しい状況ではありますが、ご近所さんとの普段のちょっとしたコミュニケーションは今からでもやっていきたいと感じました!!

(記事担当:I)